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役立つ病害虫の話

  • 役立つ病害虫の話
  • Disease And Insect Damage

ジャパンアグリバイオの研究員が、皆様に役立つ病虫害の情報を連載します。

役立つ病虫害の話

バックナンバーの情報につきましては、発表当時の内容をそのまま掲載しております。文中の農薬に関しましては必ず最新の登録状況をご確認ください。今まで使っていない農薬を使用する場合は、お近くの種苗専門店や農協、公共機関ともご相談ください。

  • ポットカーネーション苗に発生した斑点症状
  • 2013.10.30

 

 

 ポットカーネーションの苗に下の写真のような斑点が出ており、伝染性の植物病害ではないかというご心配の連絡をいただき、診断いたしました。

 

写真1:苗に発生した斑点

写真1:苗に発生した斑点

 

 斑点細菌病、斑点病等感染性の病害でしたら、他の健全な苗にも広がってしまい心配になりますよね。
結論から言いますと、これは感染性の病害ではなく、一時的な生理障害です。私どもで観察した結果、これ以降の新葉には新たな斑点はまったく見られませんでしたのでご安心ください。

どうやって診断したかといいますと、写真のように、霧吹きで植物を十分湿らせて、濡れた新聞と苗を同梱して、暖かい窓際で10日間放置するという方法です。

 

 

写真2:検証の様子

写真2:検証の様子

 

 斑点が進展拡大するかどうか、また斑点部から病原菌が観察できるか確認してみました。

 

 

写真3:検証の結果

写真3:検証の結果

 

 

 斑点細菌病、斑点病であれば、時間が経つと斑点同士がくっつく、または病原菌の胞子で、黒い粉状のものが出てきたりします。
結果はまったく変化なしです。
それではなぜ水浸状の斑点が出るのか、少し顕微鏡観察したものをお見せしたいと思います。

 

 

写真4:顕微鏡写真

写真4:顕微鏡写真

 

 細胞の中の葉緑体の緑が少なくなり透けて見えるようです。もちろん水浸状の部分にカビの菌糸や細菌の増殖がないことは顕微鏡で慎重に確認いたしました。

 

 

 

●最後に

弊社グループ会社であるBarberet&Blanc社では斑点病や斑点細菌病に対する防除を徹底しており、今回も病害の発生は認められておりません。引き続き高品質な苗を安定して供給するため、生産過程の中で点検を実施しておりますので、ご安心ください。

(2013年10月31日)

[ TEXT:森本 正幸 ]

  • ポットカーネーション下葉からの枯れ上がり症状について
  • 2013.5.17

 

 4月上旬にある品種だけ生育が悪く、また葉枯れ症状も伴っているとの事で、ポットカーネーションの診断依頼がありました。複数の品種を栽培している中でその品種だけに発生しているので、カビや細菌による病害でなく、ウイルス病によるものではないかと心配されての事でした。

 

写真1葉枯れを伴った生育不良株

 上の写真が私のところに到着した株です。左側が問題の株です。もし納品苗がウイルスに感染していたのなら、この品種を納めた他のお客様にも同様な問題が発生しているはずですが、確認したところそのような話を聞くことができませんでした。そこで、診断を進めるに当たって、まずは症状をよく観察してみることにしました。


 

観察ポイントは


1. 葉枯れがどの部位に発生しているのか?
2. 葉枯れ部位に病原菌の菌糸や胞子が観察されるか?
3. 葉枯れ症状が見られる近傍の茎内部に異状がないか?
4. 地際部に病原菌が浸入した痕跡が見られるか?
5. 根腐れは見られるか?

 

 まず観察ポイント1、葉枯れの発生部位について確認してみたところ、以下の写真のように葉枯れは上位葉から中位葉には見られず、下葉から枯れ上がるように発生しているようでした。ウイルス症状による葉枯れであれば、上位葉から中位葉にかけても症状が見られるはずですが、これらの部位には症状は見られませんでした。

 

写真2葉枯れ発生部位の傾向

 

 そこで、観察ポイント2、葉枯れ部位に病原菌の菌糸や胞子が見られるか確認したところ、葉枯れ部位には病原菌は観察されませんでした。
下葉からの枯れ上がりということは茎や基部、根部の障害の可能性も考えられます。そこで、観察ポイント3と4、葉枯れ症状が見られる近傍の茎内部、地際部に病原菌が侵入した痕跡が見られるか?観察してみたのが、以下の写真です。

 

写真3 茎、基部内部

 

 写真でも明らかなように茎や基部は病原菌に侵された跡はなく、フザリウムやリゾクトニアによる病害でもありませんでした。

 

写真4根部の状況

 

 それでは観察ポイント5、根腐れが見られるか?ということになりますが、明らかに根量に違いが見られました。根量不足や根腐れにより、日射量が強くなっていく3、4月に地上部に十分な水分や養分が供給できなくなったことにより、萎れや生育不良、葉枯れを起こしたものと思われます。
 根腐れで根量が少なくなると、ますます土が乾きにくくなり、土壌中の酸素不足状態が長くなり、根腐れを進行させてしまいます。土が乾かないとピシウムによるカーネーション根腐れ病も引き起こしやすくなります。

 

 

最後に

 診断依頼をされたお客様がおっしゃるには、この品種だけ初期生育があまり良くなかったとの事です。何故そのようなことが起こったのか原因の特定はできませんでしたが、今回の問題のポイントはそこにあるようです。
少なくともその原因がウイルス病によるものではないということは明らかになりました。

 初期生育が良くなかった原因の1つとして、私は人間でいう生活習慣病のような現象が起きたのではないかと考えています。人間は、人それぞれ遺伝子が違うので、みんなが同じものを食べたとしても、同じように長く健康でいられるとは限りません。それぞれ自分にあった食べ方、食べる量を考えなくては全員が等しく健康を保つことができませんよね。植物も、品種が違うと遺伝子が違います。人間と同じように、それぞれの品種に合わせた管理が必要なのかも知れません。

弊社でも品種特性に合わせたより細やかな栽培方法を皆様にお伝えできるよう努力していきます。

(2013年5月17日)

[ TEXT:森本 正幸 ]

  • カーネーション苗に発生した斑点症状について
  • 2012.3.9

 

写真

 何だこれは?透かしてみるとシミのような斑点が多数見えます。

斑点病や斑点細菌病の初期症状、と心配される人もいるかもしれませんがご安心ください。


 カーネーション苗生産および輸送には低温により苗の消耗を抑え品質を維持する冷蔵貯蔵技術が必須ですが、品種によっては低温によるシミ状の斑点が発生することがあります。


 もし、カビや細菌による初期症状であれば 水浸状の斑点はしだいに大きくなり、褐変や胞子が見られるはずです。今回斑点病や斑点細菌病の発病条件(22℃ 高湿度)で10日間処理し、徹底的に調査をしてみました。

 以下がその時の写真ですが、10日後でも全く変化がみられませんでした。


写真


 もちろん、水浸状部分の顕微鏡観察を行っても細菌や菌類の菌糸や胞子は確認できず、感染して広がるものではない事が確認されました。また出てきた新葉は低温に遭遇していないので、水浸状の斑点も見られず、栽培上問題ないと言えます。

 弊社グループ会社であるBarberet&Blanc社では斑点病や斑点細菌病に対する防除を徹底しており、病害の発生は認められておりません。引き続き高品質な苗を安定して供給するため、生産過程の中で点検を実施しておりますので、ご安心ください。

(2012年3月9日)

[ TEXT:森本 正幸 ]

  • カーネーションさび病について
  • 2011.2.25

 

 カーネーションにはUromyces dianthiというカビによって引き起こされるさび病とPuccinia arenariaeによる黒さび病が報告されています。両菌とも生きた細胞がなければ生育できない絶対寄生菌に分類されています。但し、絶対寄生菌とは言え、罹病植物残渣中で胞子という形で生き残ることができます。 絶対寄生菌とは、宿主となる植物を毒素などで殺さず、細胞内に吸器という器官を侵入させて養分を吸収し生育する菌類です。取り付いた植物を生かさず殺さずという微妙な関係で成り立っている、最も進化した植物病原菌と言えます。

カーネーションさび病は以前からカーネーションで問題になっていた病気でしたが、カーネーション黒さび病はナデシコ属の種間交雑で生まれたジプシー系カーネーションで近年新たに問題になっている病気です。

 

写真 カーネーションさび病について

写真 カーネーションさび病 A:初期症状の罹病株全体 B:葉の表面に褐色の小斑点が確認できる

 

 

発病しやすい条件:

1)カーネーション黒さび病
発生しやすい温度は15-20℃、高湿度条件です。北海道では6-7月と9月が発生しやすく、東北以南では5月と10月頃が特に注意が必要です。罹病したカーネーションやナデシコ科雑草が栽培施設の周囲にあると多発しやすいので注意が必要です。

2)カーネーションさび病
発病しやすい温度は20度前後、湿度は極端な乾燥状態でなければ、発病条件になります。もちろん罹病植物が周囲にあると多発しやすくなります。

 

 

診断のポイント:

1)カーネーション黒さび病

a. 発生初期は葉に直径1〜2mmの黄色斑点が見られる。(感染後4-5日目)
b. 次第に拡大して0.5-1cmの周縁がやや不明瞭な黄色斑点になる。
c. 病斑部の葉の表側はややくぼんでいる。
d. 病斑の葉の裏側は黒褐色でビロード状の集塊が同心円状に形成される。(感染後10-12日目)

2)カーネーションさび病

a. 初期は葉の表面に褐色の小斑点が形成される。
b. この小斑点が長楕円形または紡錘形に拡大してくる。
c. 病斑が破れて黒色粉状の胞子を放出する。

 

 

伝染源と対策:

 さび病菌の仲間は一般的に栽培作物以外にも寄生する植物があり、生活場所を季節によってわけています。経済的に重要ではない方の宿主は中間宿主と呼ばれています。つまりさび病、黒さび病対策は中間宿主も知っておく必要があります。

1) カーネーション黒さび病菌の中間宿主:ナデシコ科雑草
2) カーネーションさび病菌の中間宿主:ニシキソウ科・トウダイグサ科植物

と報告されています。

 黒さび病菌はまだ不明な点が多いのですが、さび病菌では発病株の残渣内で長期間生存し、これが感染源になることも確認されており、発病株の残渣処分も注意が必要となります。 黒さび病菌、さび病菌共に胞子の飛散による空気伝染で広がります。

 

 

対策としては

1. さび病菌、黒さび病菌の中間宿主となるナデシコ科、ニシキソウ科・トウダイグサ科雑草を除草する。
2. 発生初期は発病葉の迅速な除去処分が有効。病斑をライターの火で焼いてから取り除くと胞子が飛び散らず安全である。
3. 黒さび病多発時はバシタック水和剤、ステンレス水溶剤、さび病多発時では前述の農薬に加えジマンダイセン水和剤、エムダイファー水和剤等も効果が報告されているので、これらの薬剤を2週間に1度の頻度で散布し防除する。
4. 無病苗を使用する。
5. 栽培終了後は植物残渣の処分をていねいに行なう。
6. 黒さび病に対しては、特に夜間、雨天時等、葉が濡れた状態が長くならないようにする。

 

 

 

 さび病、黒さび病防除のポイントをまとめると 1)無病苗の使用、2)発生初期の迅速な対応、3)栽培終了後は植物残渣処分をていねいに行い、4)発生初期に薬剤散布を併用するという事になります。さらに中間宿主となる雑草の除去を行うと完璧です。

(2011年2月25日)

[ TEXT:森本 正幸 ]

  • カーネーション萎凋病について
  • 2011.1.28

 

 カーネーションの株全体が萎凋する病気はFusarium oxysporum f. sp. Dianthiというカビによって引き起こされる萎凋病とBurkholderia caryophylli による萎凋細菌病、Erwinia chrysanthemi pv. Dianthicola 立枯細菌病の3種類が報告されています。これらはすべて土壌中に病原菌が生き残り、それが感染源となるため土壌病害といわれる病気です。


 今回紹介するFusarium. oxysporum f. sp. Dianthi という菌類による萎凋病は萎凋細菌病のように急速な病気の進展を見せず、下葉から徐々に枯れて枯死までに数か月、早くとも1か月を要します。また萎凋細菌病のように維管束に触れてもベタベタすることがない点で区別が可能です。

 

写真 カーネーション萎凋病について

写真 カーネーション萎凋病診断
A:症状株外観(初期症状) B:地際付近茎断面(リング状に褐変)
C:維管束褐変状況 D:三日月型の大型分生胞子と小型分生胞子(褐変部位を顕微鏡観察)

 

 

発病しやすい条件:

 発病しやすい温度は20-25℃と他の萎凋性病害より冷涼な温度帯です。つまり施設栽培では春や秋も注意が必要です。また極端な乾燥条件でなければ土壌水分の過不足や湿度は発病にあまり影響されません。  窒素過多で発生が多くなる傾向が見られ、北海道や長野など冷涼な地域の秋切り型栽培で発生が多い傾向がみられるので特に注意が必要です。 一度発病した圃場では、厚膜胞子などの耐久体が生き残りやすいので、再発しやすく連作障害の1つとも言われています。

 

 

診断のポイント:

1) 下葉から徐々に枯れ上がり、5〜6枚の葉が黄化する頃、上方の葉がしおれ始め、初めはしおれても夕方には回復するが、その後回復しなくなり全体が萎凋する。このように症状がゆっくり進展するのが特徴。
2) 萎凋細菌病の場合はしばしばステム・クラック症状がみられるが、フザリウム菌による萎凋病ではこれが見られない。
3) 維管束の褐変が他の萎凋性病害と同様に上部まで進展するが、本病害は切り口を水に挿しても、萎凋細菌病のような白濁液がスーッと茎から下方へ流れ出ない。
4) 褐変部位を顕微鏡観察すると大型分生胞子や小型分生胞子が見られる。

 

 

注:萎凋細菌病のクラック症状は茎に長さ2-3cmの縦の裂け目ができ、数日〜数か月後にこの裂け目から白濁色〜淡褐色でゼリー状の細菌泥が出てくる症状をいいます。

 

 

伝染原と対策:

 病原菌は土壌に残った被害残渣中で、菌糸や耐久体である厚膜胞子という形で越冬し、翌年の第一次伝染源になります。感染するにはある程度の菌密度が必要で、病原菌ではない土着の菌など病原菌と競合する微生物が少ない環境では、病原菌が増殖して感染できる密度まで増殖しやすく、発病する可能性が高くなってしまいます。

 

 

対策としては

1. 土壌消毒の実施。(クロルピクリンが最も効果が安定していると言われている)
2. 土壌中の微生物相が豊かな状態になるよう、堆肥などの有機質を補充する。但し、フザリウム菌などが増えやすい未完熟堆肥の使用は避ける。
3. 無病苗を使用する。
4. 萎凋病に弱い品種の作付けを避ける。
5. 窒素過多にならないように気をつける。
6. 発病圃場から長靴や農機具を介して、病原菌を持ち込まない。
7. 1株でも発病株が認められたれら、速やかにその株とその周囲の株を抜き捨てる。発病株をできだけ早く処分することで、土壌中に残る感染源を少なくする。
8. 栽培途中で発生した場合、必要に応じて部分消毒も検討する。

 

 

 部分消毒法として、トラペックサイド油剤を注入しビニールで被覆して消毒する方法が報告されていますが、周辺株に影響しないよう、ビニールを地中深くまで埋め込む必要があり、慎重に実施する必要があります。クロルピクリン、ガスタード、バスアミドでは周囲株に薬害が生じるため栽培中の部分消毒に使用できません。


 最後に、萎凋病も含め土壌病害は一度発病すると治療することが困難です。そのため病原菌がいない、または病原菌が増えにくい環境を作る。

病原菌を持ち込まないように注意を払う。

見つけたら速やかに処分し、そこから広がらないように処理する。

この3つがポイントです。

(2011年1月28日)
[ TEXT:森本 正幸 ]

  • カーネーション根腐病について
  • 2010.4.30
A: 株全体 B:根部がほとんど腐敗
C: 白い根がない D:根部に形成された卵胞子(400倍で観察)

写真 カーネーション根腐病
A:株全体  B:根部がほとんど腐敗 C: 白い根がない

D:根部に形成された卵胞子(400倍で観察)

 

5月の第2日曜日は母の日!といえばポットカーネーションですね。そこで生産者の方に有益な情報となるようPythium(ピシウム)菌によるカーネーション根腐病についてお話しします。

 

2010年4月上旬に、脱水症状を起こしたように下位葉から枯れ上がったポットカーネーションの診断依頼がありました。そのカーネーションは花茎に病原菌の痕跡は見当たらず、地際部をみると淡褐色に腐敗し、根部は根がほとんど脱落し腐敗している状況でした。
 つまりPythiumによる病害の特徴と一致していたのです。

 

発病しやすい条件:
排水性の悪い土壌、日照不足、多灌水で土壌が乾かないような状況で発生しやすい傾向が見られます。
発病しやすい温度は20℃から35度までと広範囲です。

 

診断のポイント:
葉が退緑した株や生育不良株について、根部の腐敗が確認されればPythiumによる病害である可能性が高いです。
Erwinia chrysanthemiによる立枯細菌病やFusarium oxysprumによる萎ちょう病など、Pythiumによる根腐病と似た病害があるので判断は難しいですが、それらは維管束に褐変が発生するので本病とは異なります。

 

伝染原と対策:
 Pythiumによる根腐病は土壌中の罹病残渣や感染植物が伝染源となります。根に卵胞子を形成し、越冬することができます。多湿条件では遊走子を形成して広がり、根部から感染します。

対策としては
1.圃場の排水性を改善する。灌水量を適度に保つ。
2.窒素過多にならないよう注意する。
3.PythiumPhytophthora(疫病菌)などの卵菌類に効果のある薬剤を使用する。
4.罹病した植物を早めに処分する。
5.土壌消毒を行う。

2010年は2月から4月にかけて例年と比較して日照時間が少ない状況が続いています。このような状況では思わぬ病気の発生に注意が必要です。

(2010年4月30日)

[ TEXT:森本 正幸 ]

  • カーネーションの虫害(ハダニ)
  • 2009.4.24

 

5月の第2日曜日は母の日!ポットカーネーションをプレゼント、購入して育てる機会もあるかと思います。そこで今回はポットカーネションを育ててくださる一般の方も対象に、ハダニのお話をしたいと思います。

 

●発生しやすい条件:

ポットカーネーションを購入すると窓辺に置くことが多いと思いますが、実は、窓辺はハダニが増えやすい環境なので注意が必要です。ハダニは乾燥ぎみで、かつ25-28度の温度を最も好みます。

 

●診断のポイント:

葉裏に葉緑素の抜けた白色のカスリ状被害がないか,よく観察してください。

 

●ハダニの生態と被害について:

植物に付くハダニはクモの仲間のハダニ科です。ダニは動物について吸血するイメージが強いですが、ハダニは人間や動物に付くダニと種が違います。ハダニは血を吸いませんが、植物の樹液を吸って、植物を弱らせる、植物ウイルスを媒介するなどの被害を与えます。25℃の温度では卵から成虫になるまで約10日と非常に短い期間で世代をくり返すので、増殖力が旺盛なのです。

 

ハダニ被害の写真

A:ハダニによるかすり状の吸汁被害 B:蕾についたハダニ
C:0.5mm芯のシャーペン              D:40倍で観察したナミハダニ 

E:40倍で観察したシャーペン0.5mm芯

 

●伝染源と対策:

周辺植物・雑草が伝染源になることが多く、歩行だけでなく、風によって広がることもあります。ハダニは葉裏に多く寄生するので,薬剤散布は葉裏にも薬液が付着するように散布してください。またハダニは薬剤抵抗性が発達しやすいので,系統の異なる薬剤を交互に散布するようにしてください。農薬の中には食品でもあるデンプンを利用した環境にやさしい殺虫・殺ダニ剤もあります。デンプンが虫の気門(呼吸器官)を塞ぎ窒息させて防除しますので、薬剤抵抗性ハダニにも効果があります。でも一番のポイントは早期発見・早期防除です。

(2009年4月24日)

[ TEXT:森本 正幸 ]

  • カーネーション斑点症状の見分け方
  • 2008.1.8

 

症状写真

病害を見分けることは有効な防除の元となります。今回はカーネーションの斑点性の病害について紹介します。
右の写真はそれぞれ何病かおわかりになりますか? 斑点の感じが少々異なりますね。

答えは、
1.左端: 斑点細菌病
2.中央: 斑点病
3.右端: 黒点病   

ですが、各病害の特徴は以下の通りです。

 

●斑点細菌病
斑点は不整形になりがちで、繋がったものも。周囲は油が浸みたよう。
水はねで伝染するため、頭上灌水の場合や雨よけが無いと多発することがある。

●斑点病
斑点は汚れた感じで不整形になりやすい。主に下位葉から発生し、ジワジワと増える。
斑点の周囲が紫色に着色することも多い。

●黒点病
斑点はくっきり丸い。大きめの(成熟した)病斑では中央に集中して黒っぽい粉が見える。
低温期に発生し、一度に多数の病斑が出やすい。

品種・環境により病斑の状態が違って見える場合もありますが、参考にしてみてください。
なお、生理障害による斑点症状もありますが、その場合、対の葉が同程度に症状を出すことが多く、
無作為に斑点が生じる上記病害とは区別できる場合が多いです。

(2008年1月8日)

[ TEXT:縄田 治 ]

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