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コラム31 現場的統計手法その3 解析プロセスを手続きと見なすコペルニクス的転換 2012.2.17

前々回・前回に引き続き、同じ例題を用いて解説を試みます。

「文系頭には難しい。」「ちっともコペルニクス的転換じゃない。」というご批判や、「こんなツマラナイ解説よりもバラ育種会社LEX+の買収その後の経過をアナウンスせよ。」というリクエストを頂戴していますが、これが統計的手法に関する連載3回の最終回です。

もう少しお付き合い下さい。

ただ、その一方で、「生データ取得が効率的になった。」「これまで、不要なデータを山のように取って、結局は解析できずにいたが、目から鱗が落ちた。」とのメッセージも頂戴しています。

そのような現場で役立つ「コペ転」のお手伝いができれば本望です。


例題)ポットカーネーションの新品種Aと既存品種B(対照)の主要な農業特性の違いにつき把握するために試験設計を組んで、その違いを明らかにしようとする。


STEP3:「代表値」を用いた解析(手続き)の実施

第3表 草丈「代表値」による統計的解析(手続き)

第3表



第4表 草丈「代表値」に関する分散分析表

第4表


第3表が今回の手続きの主題であり、全ては第4表の「分散分析表」を埋める数字を見出すためのものです。

スネデカー・コクランの大著「統計的方法」では、

「第10章1元分類、分散分析」の章の、P247に表10.2.1に第3表のモデルが、P249に第4表のモデルが示されています。


そして、最後に、第4表の「分散分析表」(カッコイイ!!)において、「平均平方」というバラツキの指標となる数字を導き出して、これの割り算をします。

これこそが「F検定」という手順であり、品種間のバラツキが品種内のバラツキより大きいかどうか、という目安の値、「F値」を算出します。


ここで最後のハードルですが、この算出された「F値」がどの程度大きな値なのか?確認をするために、「F分布表(5%点および1%点)」というものを使います。

スネデカー・コクランでは、P515にその表が掲示されています。

これは、本当に頭の良い先人たちが綿密に計算していただいた結果の表ですが、私たちはその数字の出所については疑問を挟むことなく、結果としての数字だけ使わせていただきましょう。

f1(平均平方の大きい方)の自由度=1
f2(平均平方の小さい方)の自由度=2

ですから、その升目に記載されている数字は

5%=18.51   1%=98.49 です。

すまわち、これらの数字より大きなF値であれば、「有意」と言える訳ですから、今回の例:F値=29.1の結果から、

品種間には5%水準で有意な差がある  と言えるのです。


大変ご苦労様でした。
得てして、「統計解析」という複雑そうな言葉に惑わされがちですが、心の持ち方として
1.

常にシンプルを目指す。

2.

計算は所得税確定申告同様に、ある種の手続きと心得る。

3.

計算の目的は、処理間(品種間)の「代表値」のバラツキ程度(品種間平均平方)と、処理内(品種内)の「代表値」のバラツキ程度(品種内平均平方)を比較するため、と大雑把に理解する。

がとても重要です。

次回は状況が許すようであれば、ご要望にお応えして、「LEX+買収後」と題してお送りする予定です。

2012年2月

代表取締役社長 清水 明

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