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コラム45 EDV 〜突然変異の権利の帰属〜 2012.9.28

前号に引き続き、PBR(Plant Breeders Right)およびその周辺の重要キーワードをご紹介していきますが、今回は、PBRに次ぐ重要なキーワード「EDV」です。
これは、Essentially Derived Variety の頭文字で、突然変異(含む自然突然変異)で得られた変異体や、遺伝子組み換えで獲得された個体群を包括する概念です。
一般的には、突然変異や遺伝子組み換えで得られた変異体「EDV」と、その親品種との間には、

●親品種および変異体を構成している遺伝的背景や種々の農業特性(基本型)は同じで
●ただ1つの特性(特徴・表現型・農業形質)が異なる

という関係があるのが普通です。
そして、このEDVに関する極めて重要なルールは、「EDV と認められる品種・系統に関する権利は、その親品種・ホスト品種に帰属(従属)する」というものです。

例を挙げましょう。
ここに、西南暖地で広く主力品種として普及している水稲品種「ヒノヒカリ」(九州農業試験場育成)があります。
この「ヒノヒカリ」に突然変異・自然突然変異が発生した結果、「ヒノヒカリ」とは1つの形質(例:稈長、出穂期など)で特性が異なる新品種Aが得られたとします。
そうすると、その新品種「A」の権利は、親品種・ホスト品種である水稲品種「ヒノヒカリ」(ひいては、その育成者)に帰属するのです。
これを「従属性の原則」と呼んでいます。
同様に、「ヒノヒカリ」に遺伝子組み換え技術を用いて、1つの形質が異なる新品種Bが得られた場合も同様です。(ただし、DNAマーカーの応用で育成されたものはまったく別のお話です。最近はここの部分の混線・誤解が生じています。)

ですから、この「EDV」の原則に従えば、

1.

生産者の皆さんの圃場温室で数多く発見される「自然突然変異体」は、原則、その「突然変異が見つかった品種」の育成者権(PBR)を有している育種会社に帰属します。

2.

「自然突然変異は見つけた人の権利」みたいな考え方が一部にありますから、丁寧に「従属性の原則」を説明してあげましょう。

3.

ただ、そのままでは、せっかくの発見者(Finder)の功績に十分報いることができません。

4.

ですから、多くの栄養系種苗会社は、そのような自然突然変異(EDV)発見者である生産者の皆さんには、「発見報償(Finder’s fee)」として、育成者権とは別の意味合いとして報奨金をお支払いする仕組みを採用しています。



2012年10月

代表取締役社長 清水 明

Dear customers;


Following previous “Management Column”, I try to explain the concept of “EDV”, which is related to PBR (Plant Breeders Right).
“EDV” is abbreviation of “Essentially Derived Variety”, which is the word meaning of individual (s) obtained from natural mutation, artificial mutation, and GMO (Genetically Modified Organization) etc.
Normally, what you can see between EVD individual and host varieties are

- Basic phonotypical genetic background and characteristics seems to be equal
- Except the fact that one agricultural character is different each other

And what is important is there is a rule that any “EDV right” belongs to the original variety (mother variety, host variety).

Please let me take an example.
There is a famous and well-known “paddy rice” variety in warm area, that is, “HINOHIKARI”.
Variety “HINOHIKARI” was developed by National Agriculture Research Center in Kyushu.
Then if you may find out any natural mutation individual “A” from the population “HINOHIKARI”, automatically any breeding right of “A” belongs to “HINOHIKARI”.
We call it “The rule of “
The same rule shall be applied if you can obtain GMO individual “B” from the variety “HINOHIKARI”.

If you fallow this “Rule of”

1.

Any natural mutation individual found in growers greenhouses shall belongs to the breeding company who has PBR of this variety.

2.

You have to explain the “Rule” to this “Founder” in detail.

3.

On the other hand, it is strongly believed that any “Founder” shall be rewarded.

4.

Then, you can make proposal on “Founder Fee” payable to the “Founder”, separately from breeding right.



With Best Regards,

Akira Shimizu

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