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育種のトビラ
第42回:お詫びと近況報告、そして…

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(2011年11月11日)

◆お詫びと近況報告

 まずはしばらく連載が滞ってしまったことのお詫びから始めなければならない。


 読者の皆様、申し訳ありませんでした。ご心配をおかけいたしたこともお詫び申し上げます。


 8月から9月にかけて、色々な変化が会社にも職場にも私にも起きていた。それも大きな変化が同時にだ。だからといって記事の更新ができなかったことは、プロ失格。単なる言い訳でしかない。どんな状況に置かれても、一定以上の結果を出し続け、期待に応えるのが本物のプロ。これどんな世界でも同じ。一瞬の気の緩みでライバルに先を越されてしまうことなど、日常茶飯事。まさに開発競争は、会社同士の生存競争でもあるのだ。


 今回はここで私の好きなチャールズ・ダーウィンの(と、一般に言われている)名言をご紹介。


生き残る種というのは、

最も強いものでもなければ、最も知的なものでもない。

最も変化に適応できる種こそが生き残るのだ。


It is not the strongest of the species that survives,

nor the most intelligent that survives.

It is the one that is the most adaptable to change.

Charles Darwin (1809-1882) Courtesy of the University of Texas Libraries, The University of Texas at Austin.

Charles Darwin (1809-1882) Courtesy of the University of Texas Libraries, The University of Texas at Austin.


 植物も動物も生き物。もちろんヒトだって動物。変化にさえ適応できれば怖いものなし。こう考えると、目先の損得があまり気にならなくなるから不思議だ。


 育種という仕事は、色々な変化を起こし、その変化に最も適応できたものを選び、世に送り出すこと。それも長い時間をかけて。あらためてこの意味を考えると、本当に育種家って夢とやりがいを兼ね備えた素敵な仕事だって思う。



 さてさて避けがたい大きな変化に翻弄されたのは事実としても、バジルの育種は順調に進んでいる。これは安心していただきたい。最後の砦であるこのプロジェクトだけは、意地でも商品化を実現させるつもりだ。実際に7月に選抜を終えた株は1株も枯れることなく、9月末までに無事採種を終えることができたし、収量もほぼ期待通りだった。

充実した良いタネを眺めて、次の世代に思いを馳せていると、ついつい妄想が膨らんでしまう。まだどんな個体を選抜できるか想像もつかない段階での夢いっぱいの妄想もよいものだが、品種の完成が近づいてきた段階の妄想もまた別の意味で楽しいものなのだ。きっと商品開発に携わっている方ならみな同じだろう。自分の手がけた商品が多くの人を喜ばせている姿をはっきりとイメージできるようになっているからだ。

◆今後のスケジュール
 最後に今後のスケジュールをお伝えしておこう。
今回採種したF5世代6系統のタネは、冷蔵庫で保存中。もう世代促進をする必要がなくなったので、今年は実際の季節よりも一足早く冬を体験してもらうことにした。そして次回のタネ播きは来年のゴールデンウィーク明けの予定だ。
来年はついに育種の最終段階を迎えることになる。最有望の1〜2系統を品種候補に選んで、種子生産用の原種の親ダネとなる原原種採種を行う予定だからだ。

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