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育種のトビラ
第9回:育種家の別の顔

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今回の 育種のトビラは、番外編です。(2008年11月)

◆ネタはあるのに・・・

プランテッド#9の取材があったのが10月10日。そしてその発売日は12月18日。
ということは、その間に起こったことをこの場ではまだ報告できないということ。つまり今回の育種のトビラには、最新情報を載せられないということなのだ。この企画はあくまでもプランテッド本誌が中心だし、時系列的に育種のトビラの方がプランテッドを追い越すわけにはいかない。
やれやれ困った。報告したいことがあるのに、報告できないなんて。


ということで今回は、育種家の別の顔をご紹介させていただくことにした。育種家は年がら年中温室にこもっているようなイメージがあるかもしれないけれど、実際はあちこち飛び回ってこんなことまでしているんだから。

◆上海交通大学との共同プロジェクト打合せ(10月9日)

上海交通大学は、あの江沢民の出身校としても有名な中国の超名門大学。弊社ではここの農業科学院と共同開発契約を交わしており、私が花の育種の指導を直接行っているのだ。今回はその定期打合せのために訪問した。特に中国人との仕事では、言葉の壁、価値観の壁、文化の壁といったギャップを感じることが多々あるが、その壁はいつか花によって乗り超えられると信じている。じつは去年、上海交通大学の学生に講義を行ったんだけど、その熱心な姿勢と笑顔が私の願望を確信に変えてくれたからだ。

 

交通大学写真1
天候不順の影響だとはいえ、圃場の状態に渋い顔
交通大学写真2
ペチュニアの育種圃場の様子
交通大学写真3
現場で育種の指導をしているところ
交通大学写真4
会議室では和やかに

◆岐阜県立国際園芸アカデミーで講義(10月30日)

岐阜県立国際園芸アカデミーは、2004年創立。まだ若い学校だ。新設校なだけに、時代の要請にあった人材を送り出すべくキャンパスの随所にこだわりが見られる。なんとキャンパス内すべての場所が実習、実践の場になるようにデザインされているのだ。こんな素敵な環境で学べる学生達がうらやましい。


私が講義を行ったのは、『植物ビジネス論』の1コマ。園芸業界の第一線で活躍されている方々が代わる代わる登場し、その生の声を直接聞けるということで人気の講座だ。私は『ブリーダー的キャリアアップ術』というタイトルで、植物の育種理論と社会人としてのキャリアアップを結びつけて話をした。あの講義がきっかけで自分の将来像が描けました、な〜んて人が将来出てきてくれることを密かに夢見てやっている。もちろん、有能な若者に夢と情熱と自信を持って園芸業界に飛び込んで来て欲しいという気持ちでやっていることだ。

 

園芸アカデミー写真1
講義の様子、はじめは先生らしく
園芸アカデミー写真2
だんだんと熱くなってきて・・・
園芸アカデミー写真3
木造で雰囲気の良い校舎
園芸アカデミー写真4
アカデミーの前庭、とても学校だとは思えない
園芸アカデミー写真5
校舎を植物で飾るのも立派な授業
園芸アカデミー写真6
温室周辺だって庭のよう

◆千葉大学環境健康フィールド科学センターで講義(11月5日)

千葉大学環境健康フィールド科学センターは、2003年に園芸学部、医学部、薬学部、教育学部、看護学部、工学部が学部の壁を越えて連携して誕生した国立大学では稀有な存在だ。柏に独立したキャンパスを持つのだが、キャンパス内には農場の他に、薬草園付きの東洋医学診療所があったり、ケミレスタウンがあったりするのがとてもユニークだ。


私が講義を行ったのは『園芸植物生産技術論』の1コマ。とはいっても、内容は岐阜県立国際園芸アカデミーでのと同じ『ブリーダー的キャリアアップ術』。この日だけ勝手に講座名を『園芸人材生産技術論』に変更して、強引に関係づけてしまった。講座の趣旨には反していたかもしれないけれど、学生達にはかなりウケたと思う。その勢いのまま夜の部では、先生方、学生達と一緒に園芸の将来についてお酒の力も借りてさらに熱く語り合ったのだった。

 

千葉大学写真1
講義の様子、母校なだけに最初から全開モード
千葉大学写真2
ついつい熱くなり過ぎてしまった
千葉大学写真3
柏の葉キャンパス駅から徒歩3分で正門に着く
千葉大学写真4
ケミレスタウン、キャンパス内にこんな住宅街が
千葉大学写真5
園芸別科の鉢上げ実習(ヒューケラ)
千葉大学写真6
苗生産部の露地生産圃場(パンジー&ビオラ)

◆竹下大学の目標

花の育種家はたいていが花好きだ。これは当たり前。でも、花好きだからといって話が好きかというと、それは別問題。自分の世界にどっぷり浸かってしまって、なかなか人にわかり易く話す気になれない育種家もいる。せっかく良い品種を作っても、これじゃあ不十分なんじゃないだろうか。

そういえば花も話も言葉の響きは似ている。話に花が丸ごと含まれているから。花の魅力だけでなくって、話でも園芸の魅力を伝えられるようになる。これが今の私の目標だ。花のない話なんて、死に通じて縁起が悪いしね。だからといって噺家レベルの話芸を身につけるなんてまず不可能。やはり私には、花しかないのかな・・・。


おあとがよろしいようで・・・。

 

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