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育種のトビラ
第11回:未だどげんかせんといかん状態

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今回の 育種のトビラ では、この1ヶ月間の進展についてご報告致します。(2009年1月)

◆どげんかscentいかん ⇒ エリシマム

12月4日に、試験管の中で一番元気に育っていた2系統の馴化に再挑戦したのだが、まずはその結果を報告しなければならない。満を持して2系統それぞれ2本ずつを土に植えたまでは良かった。ところがまたしても徐々に弱っていってしまったのだ。

 

(夏場と違って気温も高くないのに、どうして? 

おかしい。こんなはずじゃない。)

 

そう思っても私には手の施しようがない。期待も空しく、馴化後2週間を過ぎた頃から1本、また1本と枯れていってしまったのだ。そして年末には4本中3本までもが枯れてしまい、最後の1本についても、もはやこれまでかと思われる状況になっていた。

 

やはり遺伝的に自然条件下では生きていけないんだろう・・・。私はこう諦めかけていた。

 

ところがだ。既に主茎を枯らしてしまっていた最後の1本の腋芽から、ある日緑色の新芽が動き出したのだ。

 

(おーっ! いけるかもっ!)

命の力強さに感動した瞬間だ。

 

まだまだ予断を許さないが、雑種自身が生きると決めた証拠だと思いたい。この調子で行けば春にはきっと花を確認することができるだろう。当初の計画よりも4ヶ月遅れだが、プロジェクトの初年度には想定外の出来事は付き物。いちいち気にする段階ではない。まだ何でも良い方に転ぶと信じていれば良いのだ。

 

じつは、今回の結果が良ければさらに良い個体を選抜するために、今シーズンも交配と胚培養を続けようと既に育種用の材料は用意してある。

 

(どうしようかな・・・。)

 

去年の経験を踏まえて、もっと効率的に雑種を作る方法は考えてあるのに、今の状況で深追いして良いか悩ましいのだ。私もプロである以上、夢と同時に利益も追わなければならない立場。こういう葛藤に悩むことはしょっちゅうだ。

 

そもそも今頃は花を確認して、育種を続けるか止めるかの判断をとっくに付けられているはずだった。それが未だに、どげんかせんといかん状態になってしまうとは・・・。

 

秘密の開発コード名がマズかったのかな・・・。

エリシマムの写真
たった1株だけ生き残った雑種。

 

 

 

 

 

エリシマムの写真

白い茎の部分は既に枯れ上がって
しまっている。

◆これでいいんどあ♪ ⇒ カランコエ

同じ温室に同居している他の植物の都合もあって、じつはカランコエの生育適温より低い温度で栽培している。そのため開花はなかなか進まない。それでも蕾をちょこっと覗かせた株が日に日に増えていくのを見るのは楽しいもの。先月小さな蕾をたくさん見せてくれていた株は、もう一斉に花を咲かす寸前だ。

 

これからしばらくは育種家にとって最も楽しい時期が続く。

 

それこそ毎朝のように、世界に一つだけの花を拝めるのだから。

 

カランコエ実生の写真

待望の第1花を最初に咲かせてくれた
のは、この株でした。

◆新企画の開始時期について

開花の遅れにより、カランコエの一次選抜(オーディション)に参加していただく企画は2月にずれ込みました。もう少々お待ちください。

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