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育種のトビラ
第15回:カランコエ人気投票後の方針

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今回の 育種のトビラ では、関心空間人気投票を行った後のカランコエ育種の進め方を中心にご報告いたします。(2009年4月)

◆ベルタイプのカランコエ

大勢の方に協力していただいた人気投票の結果がでた。はたして栄えある人気No.1は、この株になった。

 

8株のオーディションで30%の支持率を獲得したんだから、圧勝といえるだろう。これなら新品種候補として、商品化に向けた最初の試作を始める価値があるかもしれない。でも、ヒット品種になる可能性はたぶんゼロ。なぜなら、残念ながらこれはというはっきりとしたセールスポイントがないからだ。もしこの花の色が市場価値の高い黄色だったり赤だったりしたら、また話は変わってくるのだが・・・。

 

さらに、想定外の悩ましい問題も生じてしまった。どうも次の世代で優秀な個体をたくさん選抜できそうな雰囲気なのだ。つまり今年選んだ株よりも明らかに優れた株が、来年はたくさん出現するに違いないということ。はっきり言えば、今年品種候補を選んでも無駄に終わる可能性がとても高くなってしまったということなのだ。

 

せっかく人気投票まで行ったのに、本当に申し訳ない。でも、育種にも当たり年や裏年はあり、来年は間違いなく当たり年になる。そう、育種家にとって一番ワクワクする年がやって来るのだ。進化という言葉を使いたくなるほど、一気に人間が望む方向へ植物が変化してくれる年。こういうタイミングでは、余計なことはせずに黙って待つに限る。仕事を減らすのも仕事のうち。これもプロの判断だと許していただきたい。来年こそは必ず、私達が選んだ株を本場オランダでのオーディションに送り込みますので。

カランコエの写真1

人気No1はこの株

 

こんな結果になってしまったお詫びに、人気投票にエントリーした株で交配に用いられた株がどれだったかを発表させていただこう。先ほどの人気No.1株に加えて、これら3株だ。

交配に用いられた株の写真

交配に用いられた株

 

もちろん、最初から交配親として選抜した他の株も使っている。そして交配は3月下旬から4月上旬にかけて行い、現在子房を膨らませ始めているところだ。 交配中のカランコエの写真

◆スプレーローズ

バラのタネを播いたのは今年1月28日。そして現在、たったの75本しかないけれど、苗は順調に育っている。
バラは意外にも、タネを播いてからわずか2ヶ月半後ぐらいには花を咲かせる。私がバラの育種で知っていることと言えばこのぐらいだ。何をするのも初めての経験。だから実際にこんなに小さな状態で蕾を付けた株を見ると、妙に嬉しくなってしまう。

 

ば〜らが咲くぞ♪
ば〜らが咲くぞ♪
待ってたば〜ら〜が〜♪

 

この姿を見るともうたまらない。最近、毎朝口ずさんでしまう替え歌だ。こうなっても仕方ないでしょう。だって初めて自分で交配して採ったタネから育った苗が、もうじき花を咲かせてくれるんだから。

 

やはりバラはヒトにとって特別な花なんだろうか。他の花には申し訳ないけど、確かに何か特別な色気を持っていると思うのだ。

 

バラの写真

こんな小さくても花が咲く

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