バックナンバー

育種のトビラ
第20回:次の一手

バックナンバーはこちら

今回の 育種のトビラ では、新たな育種ターゲットについてご報告いたします。(2009年9月)

◆ノリアサその後

紅オクラとトロロアオイの雑種についてだが、もちろん花が咲いたら即交配。これはもう育種家の本能みたいなものだ。早速花粉を指につけてみたが、量は少ない。種子が採れるかちょっと不安になった。でも、香川氏の記録によればノリアサは採種できたようだし、きっと大丈夫だろうと思いつつ、ついつい次世代の変化に思いを馳せてしまういつもの自分がいた。

 

それから約1ヶ月後のこと。カッチカチの莢に割れ目ができ、いよいよ採種。中に入っていたのはこれ。

(ノリアサの自殖種子)

 

へーっ! 驚いた!
大きい種子と小さい種子が混在していたのか!
大きいほうはオクラサイズで小さい方はトロロアオイサイズ。植物体の姿はオクラに近いのに、種子はトロロアオイサイズのものが圧倒的に多い。面白いなっ!

 

香川氏の記録では、ノリアサは複2倍体で安定していると書かれていたのに、どうもこのノリアサはそうではないようなのだ。これだと、オクラとトロロアオイの良いとこ取りの品種が作れるかもしれない。

そんな期待も膨らんできた。

ノリアサの自殖種子  写真

ノリアサの自殖種子

◆ルックッキングその後

選抜育種でオクラの背を低くし分枝を良くする改良は、既にギブアップ。ノリアサの改良に自信が持てれば良いのだが、まだまったく先が読めず、これに期待するのはかなり危険。でも、ルックッキングのコンセプトには自信がある。だからこのコンセプトには愛着もあれば、開発者の意地もある。そう簡単には引き下がれない。こうなりゃ別の植物を選ぶまでだ。

 

見て良し、食べて良しか・・・

 

悩むこと数日、いや、数週間だったかもしれない。ふとしたきっかけでルックッキングに相応しい植物を思いついたのだ。「こりゃ〜、オクラより凄いぞ!」 ついつい大きな独り言が飛び出してしまった。新たな開発コード名はもちろん、『ルックッキング2』だ。

 

その後進め方はいつもと同じ。色々な品種の種子を取り寄せて即播種。その育ち具合を観察しながら交配組合せを決めるだけ。ただいま交配を始めたところ。勿体ぶってばかりで申し訳ないが、今回もしばらく植物名は秘密にさせてもらいたい。

前の記事を読む 続きを読む

 

▲このページの上部に戻る

Copyright 2016 Japan Agribio Company,Limited,All Rights Reserved.