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育種のトビラ
第21回:これでいいんどあ♪ その後

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今回の 育種のトビラ では、カランコエ育種についてご報告いたします。(2009年10月23日)

◆これでいいんどあ♪ その後

6月3日に播種したカランコエ。セルトレイに移植した後、夏の間はそのまま狭い場所でじーっと我慢してもらっていた。1cm四方の小さなセルトレイの中で水も肥料も必要最小限。
『生かさず殺さず。』
小さな苗達は、まさにこの言葉がそのまま当てはまる状況を耐え忍ぶしかなかった。並みの植物種だったら、まず間違いなく枯れていたことだろう。

 

なぜこんな仕打ちをしたかと言うと、あまり早く大きくなってもらうと先々温室の場所ふさぎになってしまって困るからなのだ。カランコエは短日開花性の植物。つまり昼間の長さが夜の長さより短くならない限り、決して花を咲かせることはない。夏の間に恵まれた条件に置かれると、葉だけが茂るだけ茂って、花は咲かないのに株ばかりが大きくなってしまうことになるのだ。

そして結果的に、限られた温室スペースの利用効率を悪化させてしまう。プロの育種家たる者は、良い品種を生み出すことだけを考えているわけではなく、同時に育種の効率性を限界まで高めることも追求しているものなのだ。

 

さて、真夏には瀕死の状態になっていたカランコエだが、そこは多肉植物ならではの強みをいかんなく発揮して無事この逆境を乗り越え秋を迎えたのだった。さすがは多肉植物。葉に水分を溜め込める能力は伊達じゃない。でも間違いなくその身体には、水分だけじゃなくってストレスも溜め込んでいるに違いないのだ。

 

カランコエが絶食状態から解放(鉢上げ)されたのは、9月中旬。今年は品種候補を選抜するのが目的なので、昨年多数出現した帯化個体はセルトレイの段階ですべて廃棄処分にした。帯化個体は商品価値がないからだ。で、ただいま鉢上げされているのは全部で2428個体。2月の開花までに大きく育ち過ぎることのないように、今後も絶妙の水やり加減を続けるつもりだ。

カランコエの様子写真

ようやく元気を取り戻した

カランコエの苗達

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