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育種のトビラ
第34回:ノリアサ戻し交雑

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今回の 育種のトビラ では、ルックッキングのその後についてご報告いたします。(2010年11月26日)

 

◆ルックッキング: オクラ(ノリアサ)

 オクラとトロロアオイの種間雑種であるノリアサのF2は、(1)オクラと比較して大きくて綺麗な花が咲く (2)オクラより長い時間開花する (3)稔性が回復して種子も採り易くなった (4)しかし実が硬すぎて食用には向かない ことは9月に報告済


 さて、肝心のその後の進み具合だが、期待通りには進まなかったのだ。というのも、実の柔らかい個体が出現することを期待して播種したF3 8系統(トータル172個体)からは、実の柔らかい変わりものの個体は1個体も現れなかったから。残念ながらすべてオクラより実が硬い上、実に生えている細かな毛までオクラよりも硬かった。これはもう遺伝的に安定している形質。すぐに変化を期待するのは無駄だと判断するしかない。くやしいが、この方法は失敗だったと認め、別の手を試すか諦めるかだ。


 せっかくここまで進めてきたノリアサ。でもまだ、最後の頼みの綱がある。それは、オクラへの『戻し交雑』。(1)と(2)のノリアサの良さは残しつつも、実が柔らかいというオクラの性質に近づけるための方法が、戻し交雑だ。こちらの方法がうまく行くかどうかは、オクラにノリアサを交配してタネが採れるかにかかっていた。もちろんタネが採れなければお話にならないんだけど。


 果たして、ノリアサの♀親となった紅オクラに、ノリアサF2選抜個体の花粉を交配してきた結果だが、なんとかタネを採ることができた。やったぜ。これでひとまず望みは繋がった。期待を込めたタネ播きは、11月6日。


さあ、元気に芽を出してくれよ。

ノリアサF3開花

ノリアサF3開花

オクラへの戻し交雑

オクラへの戻し交雑

ノリアサ果実(上)と紅オクラ果実(下)の比較

ノリアサ果実(上)と紅オクラ果実(下)の比較

ノリアサF3果実

ノリアサF3果実

◆ルックッキング2: まだ内緒

 9月22日に播種したF3 20系統は、発芽率には大きな差があったものの、順調に生育中。最初は外見的に余り差はなかったが、ここに来て一株一株個性を発揮し始めた。何だか期待通りの草姿の株がいくつもありそうな気配。楽しみだ。

ルックッキング2の発芽状況

ルックッキング2の発芽状況

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