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育種のトビラ
第36回:短日条件のメリット、デメリット

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今回の 育種のトビラ では、ルックッキングとこれでいいんどあ♪のその後についてご報告いたします。(2011年1月28日)

 

◆ルックッキング:オクラ(ノリアサ)

 まずは紅オクラにノリアサ(紅オクラ×トロロアオイ)を戻し交雑した話の続きから。


たとえわずかであっても芽が出てくれると嬉しいもの。気分は『さるかに合戦』のカニ状態。早く花を見たい、実を食べたい。蕾より先に妄想の方が大きく膨らんでしまう。

 それなのに期待に反して本葉が展開しても生育は弱々しいままなのだ。確かに夜には生育適温より低くなってしまうので、苗にとっては辛い環境ではある。でもその代わりといっちゃあ何だが、昼間の温度は十分に確保できているはず。


おかしい・・・。

遺伝的な問題か?

もし生育に問題があったんじゃ、品種にはなりっこない・・・


悩んでいるうちに、小さな花芽が確認できるようになった。


オクラは真夏に花が咲いているイメージが強いので、日が長い時期の方が花は咲き易いような気になるが、じつは日長は短い方が良く咲く短日植物なのだ。そのまま蕾が大きくなってくるのを見守っていると、おかしなことに気がついた。

 あれっ。生長点が無くなって、全部花芽になってきたぞ!


同じ短日植物のアサガオが、秋遅くに見せる姿と同じになってきたのだ。

つまり、先端の葉がどんどん小さくなり、茎の先端まで蕾になってしまう状態。植物にとってみればこんな気分なんだろう。

「もうじき冬で身体は枯れてしまうんだから、葉を作るのはもったいない。花を咲かすこととタネを着けることだけに集中しよう」


比較用に一緒に播いた紅オクラもまったく同じような症状を見せているので、そんなに心配することはないんだけど、気になることは気になる。

 それよりも気になることといえば、紅オクラの姿とあまり差がないこと。紅オクラに近づけようと戻し交雑しているんだから当たり前のことなのだ、交配ミスで紅オクラのタネそのものを期待して播いてしまっていたなんて恥ずかしい事態は避けたいところだ。

左:紅オクラ 右:紅オクラに戻し交雑した苗

左:紅オクラ 右:紅オクラに戻し交雑した苗

紅オクラに戻し交雑した苗の蕾

紅オクラに戻し交雑した苗の蕾


 じつは内緒にしていたことがある。

普通の緑色のオクラにノリアサ(紅オクラ×トロロアオイ)を交配することも試してみていたのだ。こちらは、タネはできにくいわ、しいなばかりだわで、まともそうなタネはほんの少ししか残らなかった。そして期待せずにこれらのタネを播いたところ、なんと発芽したのだ。こちらこそ交配ミスでタネができてしまったオクラそのものではないかと疑っていた奴。

 ところがオクラと比較すると違いは一目瞭然。葉の付け根がオクラは緑なのに対し、この1本は少々赤っぽいのだ。また、草姿も異なる。


 こちらは間違いない!

 開花はもうすぐ♪

左:オクラ 右:オクラに戻し交雑した苗

左:オクラ 右:オクラに戻し交雑した苗

オクラに戻し交雑した苗の蕾

オクラに戻し交雑した苗の蕾

◆これでいいんどあ♪:カランコエ

 猛暑のダメージは隠しようがないけれど、皆順調に育っている。カランコエも短日開花性の植物。こちらは日が短いのをプラスにして、花芽をたくさんつけてくれている。 生育の早い株では、こうしてちょうど開花し始めたところだ。

開花を始めたカランコエ

開花を始めたカランコエ

開花を始めたカランコエ

開花を始めたカランコエ

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