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育種のトビラ
第41回:バジルの選抜終了

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今回の 育種のトビラ では、バジルの選抜の続きについてご報告いたします。(2011年7月29日)

 

◆ルックッキング2(バジル)

そもそもの始まり

 バジルの学名は、Ocimum basilicum。基本的に食用のバジルはこの一種から分化してきた。葉の形、色、香り、味。 さまざまな特徴を持つ20品種ぐらいの種子は、ネット通販で誰でも簡単に手に入れることができる。そもそも育種を始める時には、まずは集められるだけの品種や野生種を入手して、その特性を把握するのが基本動作。もちろんルックッキング2の時にもそうはしたのだ。


 しかし結果的に、育種親を一番なじみのあるスイートバジルとブッシュバジルの2つに絞ったのには、ちゃんと理由がある。

 自分で栽培するのが初めての植物が育っていく姿を見るのは、いつもドキドキする。まったく想像していなかった変化を目の当たりにできるからだ。そして冷静になって、それぞれの長所と短所とを見極めていくのだが、普通はこんなにあっさり交配親を絞り込むことはできない。人間と一緒で、長所を全く見つけられない品種なんてほとんど存在しないからだ。バジルの場合は、ウェーブがかった葉の形も魅力的だったし、紫色の葉は寄せ植えでも料理の彩りにも重宝しそうだったし、ミントのような様々なさわやかな香り。どれも育種してみたくなる形質ばかりだった。それなのに今回は迷うことなく2つに絞ることができてしまったのだ。


 味。これが問題になった。スイートバジル以外は日本人にはとても生で食べられる味ではなかったからだ。苦いだけの青汁なんて比較にならないほどのマズさ。言葉でうまく表現できない味。そう、食べちゃいけないものを口に入れてしまったような気分になるものばかりだったのだ。もちろん、加熱すればおいしくなるものあったのだろうが、ルックッキング2では摘み取ってそのまますぐに食べられる品種をターゲットにしていたから、こういう結論になったというわけだ。

 

F4の選抜終了

 選抜の話に戻ると、今は選抜を終えた段階。F4世代なので今回は一気に系統数を絞り込んだ。花が早く咲いてしまうと葉が硬くなるのも早くなってしまうから、開花の早い系統を淘汰するのは当然のこと。以下が選抜系統の代表的なものだ。


 まずはスイートバジルの草姿を改良させた系統。

左:スイートバジル、中央:選抜系統、右:ブッシュバジル

左:スイートバジル、中央:選抜系統、右:ブッシュバジル

スイートバジル、右:選抜系統

スイートバジル、右:選抜系統

 お次はブッシュバジルの葉を大きくした2系統。

左:スイートバジル、中央:選抜系統、右:ブッシュバジル

左:スイートバジル、中央:選抜系統、右:ブッシュバジル

左:スイートバジル、中央:選抜系統、右:ブッシュバジル

左:スイートバジル、中央:選抜系統、右:ブッシュバジル

 最後は葉色の違いについて。


 雑種には葉の色が濃い系統がたくさん出現し、F4まではこのような系統も残してきたが、それはすべてあのマズさ。スイートバジルのさわやかな味とはかけ離れていた。全ての個体を味見したが、スイートバジルの味の個体は出現せず。そのため、今回は葉色の薄い系統だけを選抜することにした。

 

バジリコって何?

 バジリコって言葉があるけど、私は30歳ぐらいまで、バジルの葉を乾燥させて砕いたもののことだとばかり思っていたのだ。小麦⇒小麦粉、バジル⇒バジリ粉みたいなイメージで。

でも、バジリコはバジルのイタリア名で、バジルそのもののこと。ひょっとしたら私と同じ誤解をしていた人がいるかもしれないから、恥を忍んでご紹介。

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